「自分探し」という言葉が嫌いだ。
自分には殻があってそれを破ると本当の自分が出てくるとか
自分について色々考えたり新しいものに触れることによって自分でも知らなかった自分自身の一面が顔を出すとか
なんかしっくり来なくて。
自分っていうのは常に更新されて創られていくものだと思っている。
だから、例えばよくある「自分探しの旅」ていうのは私は「自分創りの旅」と捉えるべきだと言い張っている
10月後半、ロンドン、エクセター、ベルリン、フォルバック(フランス)を旅してきた。
もう、帰国してから10日が経っている。
今朝、洗濯物を干しながら、日常に戻っている自分に気づいて変な感覚だった
3週間弱の忘れられない旅、余韻が消えないうちに今感じてることだけでも残さないと。
一人でヨーロッパを旅するのは、10年ぶり。
10年前といえば、初めて独りでイギリスに行き、留学をしていた年。
あれから10年、自分の考え方や価値観にたくさんの影響を与えてくれたイギリスに、もう一度行ってきた
留学中のこと、帰国してからのこと、それはそれは色々な想いを抱えて乗り込んだロンドン。
ヒースロー空港からアンダーグラウンドに乗ったとき、アンダーグラウンドが地上に出てどんよりと曇ったロンドンの空を見たとき、目的地に辿り着いて地面を踏み締めたとき。
10年間の色々な想いが込み上げてきて、胸がいっぱいになった
どうしてかわからないけど、泣きたくなるような、そんな気持ち。
泣きたいのは、嬉しいからなのか、哀しいからなのか、自分でもわからない。
でもとにかく、帰国して以来、思い焦がれていた英国に、再び私は、帰ってきた。
今回の旅は、ただの観光じゃなくて、10年前にまだ学生だった自分のことを思い出しながら、
今、大人になってしまった自分と対面させて、今の自分を更新させる旅。
旅の途中、旧友を訪ねたり新しい友達ができたりして、彼らのお陰で素晴らしい体験ができたけど、
今回の旅は一人の時間がとても大事だった。
一人で街や公園をただひたすら歩いて、ただひたすら考え事をする。
以前ここにいたときの自分のこと、日本での普段の生活のこと
帰国してからの自分の夢や野望について、それをどの程度叶えてきたのか、そもそもその夢や野望は自分の中で持続していたのか、それとも形を変えているのか
仕事をして結婚して、大人として生活していく中で、イギリスや他のヨーロッパの国々と日本、何が違う?どっちが便利?どっちが楽しく暮らせる?子育てに向いてる環境はどっち?
とにかく考えることは尽きない。
普段自分が生活している場所から離れて、一人の時間を作ることができると、
こうやってひたすら考え事にふけることができる。
この旅を通して、このことにも改めて気がつくことができた。
日々、なんとなく生活していると、自分が考えたいことについて考える暇も無いんだ、と少し驚く。
ただただ自分の思考を解放して、コントロールもせずどんどん思考させていって、
ある程度落ち着いたら、今度はそれをノートに書き落とす。
こんなことを繰り返した今回の旅。
旅行=観光だとしたら、この旅は随分退屈に見えると思う。
でも、人の目には見えないけど、私の中ではこの上なく充実した旅だった。
こんなに贅沢な旅、生まれて初めてだったかもしれない。
一人旅
というけれどそれは決して独りで為せるものではなくて
道中で出会った人たちや、温かく迎えてくれた友人、
そして何より、私を快く送り出してくれた大切な家族
たくさんの人たちのたくさんの支えや優しさがあるからこそ、一人で旅をすることができる。
これも一人で旅してたからこそ気づけたことかもしれない。
今回の旅を素晴らしいものにしてくれたすべての人に感謝して、必ず恩返ししよう
この旅を通して、疲れる程たくさん思考して、色々な刺激を受けて、私は間違いなく自分を更新することができた。
自分創りの旅、成功です